MQTT大規模実装例

 
MQTT(Message Queuing Telemetry Transport)は、軽量で効率的なメッセージングプロトコルであり、特にIoT(Internet of Things)分野で広く使用されています。大規模なMQTT実装の例として、以下のようなものが挙げられます。

1. IBM Watson IoT Platform

IBM Watson IoT Platformは、数百万のデバイスやセンサーが接続されている大規模なIoTプラットフォームです。MQTTは、このプラットフォームでデバイスとクラウド間の通信に利用されており、データの収集や分析において、効率的なメッセージのやり取りを実現しています。

2. Facebook Messenger

Facebook Messengerは、リアルタイムチャットを提供するためにMQTTを採用しています。数億のユーザーが日常的に利用しているMessengerにおいて、MQTTの軽量プロトコルがネットワーク帯域を効率的に使用し、メッセージの遅延を最小限に抑える役割を果たしています。

3. Amazon Web Services (AWS) IoT

AWS IoT Coreは、数百万台のデバイスがクラウドに接続され、データをやり取りするプラットフォームです。ここでは、MQTTがデバイスからのデータ送信に使われ、クラウドベースのアプリケーションがそのデータを処理します。スケーラブルなアーキテクチャで、大規模なIoTネットワークに適しています。

4. Google Cloud IoT

Google Cloud IoT Coreも、IoTデバイスとクラウドサービスの通信にMQTTを利用しています。Googleのクラウドインフラ上で、数百万のデバイスを一元的に管理し、データをリアルタイムで処理するための基盤となっています。

5. シティインフラストラクチャ

多くのスマートシティプロジェクトでは、交通システム、エネルギー管理、公共安全などのためにMQTTが採用されています。例えば、街中に設置された数百万のセンサーが、リアルタイムでデータをクラウドに送信し、交通流の最適化やエネルギー効率の向上に寄与しています。

6. Teslaの車両モニタリングシステム

Teslaの電気自動車は、車両のリアルタイムモニタリングやソフトウェアアップデートなどのために、MQTTを利用しています。これにより、世界中の何百万台ものTesla車両からのデータを効率的に収集し、分析することができます。
これらの事例は、MQTTが高スケーラビリティと低レイテンシを必要とする大規模なIoTおよびリアルタイム通信システムでの利用に適していることを示しています。
 

MQTT概要と背景 (Aptpod社ブログより)